一般社団法人
山梨県鍼灸師会

お知らせ・報告

南アルプス研修会(三県合同研修会)

小尾剛史

3 月29日(土)、信州健康ランドにて初開催された南アルプス研修会に参加して
まいりました。山梨・静岡・長野の三県鍼灸師会合同の本研修会では、「腰痛」をテ
ーマとした実技披露と各県の取り組み紹介が行われ、充実した時間を過ごすことがで
きました。
研修会は18時から始まり、各県会長による実技披露が行われました。まず山梨県
の深澤栄一会長からは、「鍼灸はなぜ効くのか」「筋緊張の緩和・血流改善」の考えに
基づく腰痛アプローチが披露されました。続いて静岡県の大橋教正会長による施術で
は、灸頭鍼を用い、胃腸に関するツボ、神経系を考慮したツボ使用による痛みの軽減
や機能改善を図る施術が特徴的でした。長野県の大窪隆人会長からは、腰臀部起因す
る疼痛に対して、トリガーポイントと経絡治療を合わせた施術が披露されました。
施術方法は先生方によって違いはあれど、基本は一緒で、目の前の患者様をより良く
導くことのプロであると感じました。腰痛への様々なアプローチを知ることができ、
とても有意義な実技披露でした。
研修会後の懇親会では、各県の取り組み紹介が行われました。山梨県の地域連携プ
ロジェクト、静岡県の福祉事業(母子家庭への割引助成券の配布)、長野県の鍼灸師
会会員増加の提案など、それぞれ特色ある活動報告がありました。
私が所属する地区からも数名が参加しており、日頃の診療で感じている悩みや工夫を
他県の先生方と共有できたことは大きな収穫でした。経験豊富な先生から直接アドバ
イスをいただけたのは貴重な機会でした。
今回の研修会で特に印象に残ったのは、三県それぞれの取り組みの違いと共通点で
す。鍼灸の技術は同じでも、地域性や個性が表れるのが興味深く感じられました。
また、今回学んだ腰痛へのアプローチ方法はすぐに臨床に活かせるものばかりでした。
早速取り入れていきたいと思います。
さらに、懇親会で知り合った他県の先生方とは連絡先を交換し、今後も情報共有を続
けていく約束をしました。県境を越えた鍼灸師のネットワークが広がったことも大き
な収穫です。
次回(来年)の静岡で行われる南アルプス研修会も是非参加したいと思います。こ
のような三県合同の研修会が続くことで、地域の鍼灸医療のレベルアップにつながる
と確信しています。